『鵜渡川原人形伝承の会』では昔ながらの工法で作られた鵜渡川原人形の魅力を広く知ってもらうため、積極的に講座や出前教室、イベントなどを開催している。
鵜渡川原人形とは土人形で地名から鵜渡川原人形と呼ばれ、その大きな特色としては、素焼きの人形に膠で溶いた胡粉を数回塗って下地を整え、膠で溶いた顔料で彩色し仕上げるという昔ながらの工法を伝えていることが挙げられる。
酒田大石家で土人形が作られたのは船運が盛んだったころ京都の伏見から伝わったのが始まりで、残されている木型に文政四年(1821)の文字が認められる ことから江戸時代の末期である。酒田から郷土人形がなくなるのは忍びないと平成十年に愛好会が発足、翌年には保存会を結成し土人形の保存と伝承活動が始 まった。また、酒田市に寄贈の型を基に石膏での型作りにも挑戦した。その後『鵜渡川原人形保存会』は『鵜渡川原人形伝承の会』と名称を改め、歴史や沿革の 講義を交えながら制作体験教室・展示会を開くなど、伝統工芸の伝承活動に励んでいる。
酒田市立日向小学校では『鵜渡川原人形伝承の会』の指導のもと、昔ながらの工法で人形作りを行っている。粘土から数々の過程を経て完成へ近づくたびに、子どもたちは人形に愛着を感じながら丹念に制作した。
人形作りは、
1.人形起こし:粘土を型に詰め人形にする作業
2.焼成:乾燥後に素焼きをする作業
3.胡粉塗り:素焼きの人形に膠で溶いた胡粉を数回塗り下地を整える作業
4.色付け:下地の出来上がった人形に色を付ける作業
など、複数の工程が必要だ。そのひとつひとつに技術を要するが、手間をかけて作った自分だけの人形は一生の宝物になる。
撮影年 | 2009年 |
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著作 | 山形県 |
制作 | (財)山形県生涯学習文化財団 |
時間 | 4分55秒 |
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