次年子(じねご)では農閑期(のうかんき)の仕事(しごと)として「箕(み)作(つく)り」が盛(さか)んに行(おこな)われてきました。箕(み)は米(こめ)の計量(けいりょう)のときや、豆(まめ)のゴミをはらうときなどに使(つか)う便利(べんり)な道具(どうぐ)です。
<説明>
「次年子の箕(み)づくり」ナレーションより
大石田町次年子地区では、冬の農閑期の仕事として箕づくりがさかんに行われていました。
現在、次年子で箕づくり職人の森哲男さん。森さんは、子供の頃から箕づくり経験のある、ベテランの職人さんです。
これは、箕の材料のイタヤカエデの木を、森さんご夫妻が山で伐採しているようすを撮影したものです。イタヤカエデの伐採の時期は、成長が止まり、木が締まった9月に行われます。フシや枝、虫食いのないまっすぐとした木を探します。
持ち帰った木は乾燥させておき、11月になると1ヶ月間水につけておきます。
箕の材料になる、この木は「ヘネ木(ぎ)」と呼ばれ、このヘネ木を、少しずつ薄く裂いていき、「ヘネ」と呼ばれるひも状にします。
森さんが箕作りに使う、ナタやキリなどの道具は手作りのもので、先代から受け継がれたものを使っています。
始めはナタを使って、ヘネ木を割り、幅1センチほどになるように削っていきます。
さらに、口を使い、薄く裂いていきます。
手でヘネを引く力かげんで、ヘネの薄さが変わるので、ヘネの厚さを確認しながら裂いていきます。
この作業は熟練を要し、長年の経験と感覚がなせる技です。
幅1センチ、厚さ1ミリほどのヘネが出来上がりました。
次に「イカダ箕」を編みます。縦に2センチ幅のイタヤカエデの木で作った「カワ」と呼ばれるものを、横にヘネで編んだものです。
イカダ箕の、持ち手になる部分と、口になる部分を丈夫にするためにヘネで編んでいきます。
箕の持ち手になる部分には、U字型に加工した竹を2本使います。
フシのない竹を囲炉裏で熱しながら作るもので、この竹の加工も難しいそうです。
2本の竹で、箕をはさみこみ、工具で押さえながらヘネで編み上げていきます。
次年子の箕づくりは、代々伝えられた伝統の技の集大成と言っても過言ではありません。
撮影年 | 2002年 |
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著作 | 山形県 |
制作 | (財)山形県生涯学習文化財団 |
時間 | 4分50秒 |
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