<概要>
「白鷹(しらたか)紬(つむぎ)」は300年前(ねんまえ)、上杉(うえすぎ)鷹山(ようざん)公(こう)によって白鷹町(しらたかまち)の地場(じば)産業(さんぎょう)として定着(ていちゃく)しました。「白鷹(しらたか)紬(つむぎ)」は、「板(いた)締(じ)めの絣(かすり)」による染色(せんしょく)が特徴(とくちょう)です。
<説明>
「白鷹紬」ナレーションより
「白鷹紬(しらたかつむぎ)」は、白鷹町に古くからかたくなに守り続けてきた伝統工芸です。かすり染めによる落ち着いた色とデザイン。
自然の風土に育まれてきた「白鷹紬(しらたかつむぎ)」は、今なお、新しい紬織物(つむぎおりもの)を創作し続けています。
小松織物工房(こまつおりものこうぼう)の小松紀夫(こまつのりお)さんは、暮らしの中から生まれた「白鷹紬」の心を大切にしながら織物作りに励んでいます。
きょうは「白鷹紬」のかすり糸に縞模様(しまもよう)を染色(せんしょく)する、作業を拝見させて頂きます。
妻のトモさん。そして息子さんの寛幸(ひろゆき)さん、小松さんの3人が、呼吸を合わせながら作業は進められます。
まず、かすり糸を絣板(かすりいた)という溝が刻んである板の間にはさんでいきます。この溝によって色が着く部分ができます。糸の張りぐあいに神経を使いながら、40枚の絣板(かすりいた)を重ねていきます。
絣板(かすりいた)の横には斜めに溝が彫ってあります。
これは40枚の絣板(かすりいた)の重なる順番が決まっていて、間違えないようにするためです。
絣板(かすりいた)を重ねおわると、上下に押し木を当てて仮締めをします。
絣板(かすりいた)が重なる溝の微妙なズレを、木ベラを使い合わせていきます。上下の溝が合っていないと、糸にかすり紋様がきちんとつきません。
調整が終わると、押し木を少し強く締めます。
30キロ以上ある絣板(かすりいた)を染め流し台に運びます。
お湯をかけ、絣板(かすりいた)と糸を柔らかくしてなじませます。
更に押し木を締めて、本締めをします。締めすぎると絣板(かすりいた)を傷めてしまいます、締めがゆるいと糸の紋様がきれいに出ません。手の感覚を頼りに慎重に締めていきます。
天然の植物染料の「クリスタルヘマチン」と呼ばれる染料をお湯に溶かし、ひしゃくで、絣板(かすりいた)にかけていきます。この「ぶっかけ染め」ともいわれるこの作業は大胆に見えるところからその名が付いていますが、実は、絣板(かすりいた)が合わさる溝の隅々まで染料がいきわたるようにする繊細な作業です。
この染色作業は1時間ほど続けられ、染め上げられていきます。
絣板(かすりいた)をはずし染め上がりを調べます。
うまく仕上がったでしょうか、緊張の一瞬です。
かすり染めはきれいに染まっていました。
白鷹紬は、織り機でかすり糸の数ミリ単位の柄合(えあ)わせをしながら織りあげられ、独特の風合いに仕上げられます。
撮影年 | 2002年 |
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著作 | 山形県 |
制作 | (財)山形県生涯学習文化財団 |
時間 | 4分59秒 |
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