もくとのさくら

分類: 創作 地域: 未指定 作者: 仁科 孝(長井市)

最上川(もがみがわ)の堤防(ていぼう)沿(ぞ)いに「つつもざくら」と呼(よ)ばれる桜並木(さくらなみき)がありました。きこりのもくとは、桜(さくら)の木(き)を守(まも)るために雨(あめ)の日(ひ)も、風(かぜ)の日(ひ)も根元(ねもと)の土(つち)を入(い)れ替(か)えます。土(つち)の入(い)れ替(か)えが間(ま)に合(あ)わなかった桜(さくら)の木(き)は、多(おお)くが折(お)れたり、倒(たお)れたりしました。年老(としお)いたもくとの前(まえ)に現(あらわ)れた桜(さくら)の妖精(ようせい)は、もくとの命(いのち)が残(のこ)り少(すく)ないことを知(し)りました。